GRIN

Scroll
MODEL
YUKA MANNAMI
NICO PEREZ
PHOTOGRAPHY
BOKUIZUMI
INTERVIEW & TEXT
# FEATURE

心の拠り所は常に自分。萬波ユカのしなやかな生き方

夢や目標は、願うものでなく、叶えていくもの。しかし達成する手順は誰も教えてくれません。切り揃えた短い前髪と真っ直ぐな瞳がトレードマークのモデル・萬波ユカさんは、看護師からモデルに転身し、海外を中心に活躍しながら、昨年には念願の古着屋『MAN vintage』をオープンさせました。

屈託のない笑顔で、自然体のまま次々とステップを踏み出しているように見える彼女の、軽やかさの理由を紐解きます。

プライドや自信よりも
責任を持てる人でいたい

23歳で看護師の仕事を辞め、モデルの世界に飛び込んだ萬波さん。三重県の長閑な地域で、厳格な両親の下で育った萬波さんは当時、看護師になるためのある種の「レールが敷かれていた」と語りますが、安定した職業から、スタートとしては遅いとされる年齢でモデルに挑戦し、瞬く間に世界のトップモデルになりました。

「この仕事を始めた頃は、自分がどんな仕事がしたいか、何が向いているのかもわからなかったんです。勧められるがまま挑戦したものの上手くいかなくて傷ついたり、リコールをもらってから何シーズンも仕事を一緒に出来るブランドができて嬉しかったり、いろんな経験をさせてもらいました。さまざまなジャンルの仕事に挑戦させていただいたおかげで、自分には何ができて、何をしたいのかという自己分析をする機会を得られたなと思いますね」

モデルという特殊な職業ならではの境遇とどのように向き合い、自分にできることを広げていったのでしょうか。

「モデル業の人は悲しいことに、高飛車そうとか偉そうとか、悪いイメージを持たれることが多いんですよ。心無い言葉を言われることもありましたが、まわりに左右されず、心の拠り所は常に自分自身だと思っていました。自信を持ちたいというより、責任を持てる人でありたいなと思っていましたね」

その理由を「何があっても“自分のおかげ”や“自分のせい”だったら、後悔なく生きられると思った」と振り返ります。

「こういう厳しい世界で戦うマインドを保つためには“プライド”や“自信”も大事だと思うんですが、私はそういったものではなく自分の言動に責任を持ちたいんです。芯が通った人ってかっこいいじゃないですか」

モデルデビューから7年が経った現在も、当時から変わらない想いが新しい一歩の原動力になっているといいます。

「お仕事を始めてからずっと心がけていることなのですが、アクションを起こすエネルギーを蓄えるための自愛を胸に、初心を忘れずいたいですし、フットワークは軽く、何でも挑戦し続ける私でいたいです」

現状維持は下降線
やりたい気持ちが爆発すれば
人は勝手に動くもの

昨年、萬波さんは10年前から構想していたという、もうひとつの夢である古着屋のオープンを叶えました。自身でセレクトした海外のヴィンテージアイテムを中心に、センス溢れる服やアクセサリーが店内に並びます。

「好きなものを10年好きでいられたから、これからの10年も好きでいられるだろうなと思って『MAN vintage』を始めました。さまざまなことに興味が尽きないタイプなんです。現状維持をしていると思うと、それは下降に向かっているなと感じます。どんどん新しいことをやり続けていたいですね。そのひとつが、このお店だったかなと思います」

夢や新しい目標に対して怯んでいる人がいたなら「やらない理由を排除してみてほしい」という萬波さん。

「“やらないための理由”を探していませんか?例えば、“年齢が若くないから”とか“お金がないから”とか。その理由への対処を一つずつ考えていけば、やれるんじゃない?と思います。誰かや何かのせいにするのではなく、自分のことは自分で責任を取る、というのが第一歩だと思います。自分がどうしたいか、どうしたら出来るか、“やれる理由”を考えた方が絶対に楽しい。やりたい気持ちが爆発すれば、人は勝手に動くものですよ」

自分を楽にするために
自分を拠り所にする

30歳を迎えた節目の年に自分のお店を持った萬波さん。笑顔で「年齢を重ねることは強い味方なんですよ」といいます。

「若いときは、何を言っても聞き入れてもらえないことや侮られることがありました。悲しいですけど、性差もあると思うんです。私たちの世代にしかわからないモヤモヤが、年齢を重ねることで少しずつ薄くなってきたと感じています。自分のやってきたことがちょっとずつ積み重なって説得力が増して、自分の発言に責任が伴ってくる。30代になってすごく生きやすいなって思います」

夢を叶えることも、年齢を重ねることも、自分を楽にする考え方が大事だと続けます。

「甘やかす意味ではなく、いかに自分が居心地良く過ごせるかを考えています。“〜すべき”や“〜せねば”といった固定概念を少しずつ排除して、人に何を言われようが自分で自分を認めて、拠り所にする。何があっても自分のおかげ、自分のせいだと思えればとても楽ですよ。そのためには、一つの側面ではなく多角的に見られるかということが大事で、それが想像力だと思います。想像力は優しさでもあります。自分の芯を大事にしながら、しなやかでありたいと思いますね」

CREDIT

MODEL

  • INSTAGRAM
IMAGE

1991年、三重県生まれ。熊野古道の近くで育つ。大学卒業後、1年間看護師として勤め上京。2015年にモデルデビュー。デビュー直後のミラノコレクション出演を皮切りに、以降、ショーや広告、雑誌など世界を舞台に活躍中。2021年、自身がオーナーを務めるヴィンテージストア「MAN VINTAGE」をオープン。

  • INSTAGRAM
MORE

PHOTO

  • HOME
  • INSTAGRAM
IMAGE

イギリスで育ち、現在は東京で中心に活動する写真家・映像作家。初めて訪れた東京で街の青い空気感や都市の孤独感にインスピレーションを受ける。2009年、ロンドンで開催された写真家・川内倫子のワークショップのメンバーに選ばれ、写真家になることを決意し、東京に移住した。2021年には個展「Havana, Cuba “The Reprint”」を、2022年には個展 「Let me be what I want to be」を開催。

  • HOME
  • INSTAGRAM
MORE

HAIR & MAKEUP
TOMOMI SHIBUSAWA

  • HOME
  • INSTAGRAM

STYLIST
NAOMI BANBA

  • HOME
  • INSTAGRAM

TEXT
BOKUIZUMI

  • HOME
  • INSTAGRAM

DIRECTOR
BACON THEATER

  • HOME
  • INSTAGRAM
衣装協力

[1着目]
ビスチェ、スカート(ともに参考商品)、シャツ@akikoaoki_official
イヤカフ、バングル @critical_lab

[3着目]
ドレス@akikoaoki_official
アームカバー(参考商品) @yohei_ohno
ピアス @flake_jewelry_official
ブーツ @camper_japan