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ARTIST
MICO
MIREI KUNO
PHOTOGRAPHY
BOKUIZUMI
INTERVIEW & TEXT
# FEATURE

ときめく心を抱きしめて。MICOが選び続けるガーリーな世界

年齢や性別を気にして本当に好きなものを選択できないときはありませんか?SHE IS SUMMERの音楽活動を完結させ、ふぇのたすの再始動が注目されているMICOさんは、その声や世界観でガーリーを表現し続けるアーティスト。

2022年6月に、ガーリッシュを楽しむすべての人を応援するクラブ・ブランド「GIRLS FIGHT CLUB(通称GFC)」を立ち上げた彼女が、どうしてガーリッシュにこだわるのか、音楽だけじゃない表現に取り組む理由、女の子として戦い続けているものについて、ガーリーの目覚めとなった場所を訪れながら伺いました。

ふぇのたす復活で
誰かの心を明るくできれば

ふぇのたす10周年の復活は、ファンを驚かせながら嬉しいニュースとなりました。いつから計画されていたのでしょうか。

「去年の10月にオンラインでイベントをしたときにファンの方から、『来年は結成10周年ですよ、何かしてくれることを期待しています』と言われて、そのときに10周年を意識しました。ここ数年は暗いニュースが多かったので、何か私が少しでも誰かの気持ちを明るくできることができるならやりたいなという想いがありました」

8月14日にはサプライズでライブに出演し、MICOさんの笑顔とともにふぇのたすが復活しました。

「10月のイベントの後、ショウさんに『一回だけ復活っていうのはどうかな』と言ったら、それはぜひやろうと返事をしてくれました。それからは話が早く、未公開デモを収録したミニアルバムを出して、ワンマンライブをやろうと決まりました。10月のワンマンライブには予想以上のファンの方が応募してくれて、解散後にもたくさんの方に知っていただけていたことがとても嬉しかったです」

出会った瞬間に
ときめきが降り注いできた

MICOさんの原点である“ガーリー”は、いつ頃どんな形で出会ったのでしょうか。

「私がガーリッシュなものが好きだなと強く感じたのは幼稚園のときです。親戚の結婚式に出るときに、お母さんが『シャーリーテンプル』というブランドのドレスを着させてくれたんですよ。そのときに、雷が落ちたような感情が忘れられなくて。ときめきの雷が落ちました。その日1日、何をしていても楽しくて仕方がない気持ちになったんです。なぜそうなったのかと聞かれてもわからないですけど、好きってそういうことですよね。表現できない喜びがあって、これが好きだなと感じました」

東京でお気に入りの場所も、そんな好きが詰まったところだといいます。

「今回撮影させていただいた原宿の古着屋さん『the Virgin Mary』も、ガーリーの原点で大切な場所なんです。私のガーリーという概念を、訪れるたびに支えて刺激してくれるような。フリルやレース、パステルカラーなど、可愛いものを愛する感情を教えていただきました。今回GFCで初めて製作したアイテムの石鹸がありがたいことに完売していたのですが、8月27日からVirgin Maryさんで取り扱っていただくことになりました。再販できることもそうですが、思い入れのあるお店で販売していただけることも、とても嬉しいです」

ものづくりをすることで
一人でいることが救われた

学校に馴染めなかったMICOさんは毎日ものづくりをするようになりました。

「学校が苦手で、あまり馴染めませんでした。決められたことが多い環境が合わなかったんです。高校生のときに時間を持て余して、毎日何かしたいな、と考えていて。そこで幼い頃好きだったものづくりをしようと思いました。イラストを描いてみたり、アクセサリーを作ってみたり、パンを作ってみたり。色々作っている中で、たまたま歌詞を書いてみた日があって。そのとき学校に馴染めない気持ちを歌詞にしてみようと思ったんです。きっと、作ることで癒されていたと思うんですけど、歌詞を書いて歌うことで、ちょっと何かが救われた気がしました」

作ることで自身の心を癒していたMICOさん。もうちょっと音楽を作ってみたいと思い、そこから人生は変わります。

「頼りないけれど完成した一曲に舞い上がって、音楽オーディションにデモテープを送りました。当時はいろんなことが拙かったんですけど、声質を褒めていただいて、育成のような形でオーティションに合格したのがすべての始まりです。そのあとシンガーソングライターとして活動してふぇのたすを結成しました。解散後SHE IS SUMMERとして活動し、2021年にやりきったと思い、完結させました」

何も変えないそのままが
私だけのオリジナル

SHE IS SUMMERを終えて、新たにスタートさせたGFCではガーリーを全面に打ち出したMICOさん。迷っているときに「なんで作っているんだろう?」と行き詰まることがあったそうですが、自分にしかできない表現をしようと原点に立ち返ったといいます。

「何も変えないそのままが一番オリジナルなんじゃないかと思ったときに、ガーリーをテーマにしようと決めました。それに、30歳を迎えるという節目もありましたし、自分自身も勇気を持って一番好きなものをこのタイミングで選んでみてもいいんじゃないかな、と思いGFCを立ち上げました。私はものづくりをすることで人生が救われたんです。自分の選択肢は自分で作れる、というのはGFCを通して伝えたいことですし、クラブメイトのみなさんと一緒に取り組める企画をたくさん考えているので、楽しみにしていてほしいです」

選択するものは
一番好きなものでありたい

G“F”Cの“FIGHT”に込められた意味と、MICOさんがこの人生で戦い続けているものは何でしょうか。

「実はこのFIGHTは“戦う”ではなく、“応援”という意味です。この活動を通して、クラブメイトさんが励まされるような、励まし合えるような、自分のガールズマインドを励ませる、そんな活動にしたいなと思って。私が戦い続けているのは、固定概念ですかね。例えばもう30歳なのにこんな可愛い服を着ていていいんだっけ、とか思ってしまいますが、ガーリッシュは表現の仕方によっては幾つになっても楽しめるものだと思います。その年齢ごとに合った表現があると感じているので、それを一生探し続けていきたいですし、自由な発想を持ち続ける人生でありたいです。そのためには、ピュアさを大事にしていたいですね」

GFCのPodcast番組で『好きなものに真っ直ぐ向き合う努力をし続けていたい』と語っていたMICOさん。最後に、好きなものを大事にし続けられる理由を伺いました。

「諦めたくないという気持ちがすごく強いのかもしれないですね。気を抜くと人って“一番じゃないもの”を選んだりするじゃないですか。好きなものを全部選べている人は少ないと思います。例えば便利だから、効率がいいからなど、〇〇だからという理由をつけて一番じゃないものを選んじゃうことがあるなと。もちろん私もそういった選択をしてしまうことがありましたが、せっかく一度きりの人生、大変なことがあったとしても、一番好きなものを選ぶ未来をみてみたい、というふうに思ったので、これからも妥協せずに挑戦していたいですね」

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2013年、エレクトロポップユニット”ふぇのたす”のボーカルとしてデビュー。2015年、解散。2016年、リアルなガールズマインドを歌い、演じるソロプロジェクト”SHE IS SUMMER”を発足。2021年、完結。完結後、モデル、作詞提供、アパレルコラボ、ビジュアルプロデュースなど多岐にわたる活動を行う。2022年、GIRLS FIGHT CLUB 発足。

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1996年9月生まれ。東京出身。2022年1月にSIGNO所属。7/29(金)~7/31(日)には初となる個展を開催。初個展「Heart Sicks -you broke my heart-」更に8/6(土)~8/31(水)ではヒステリックグラマー渋谷店にて動画&写真を展示。
「GET ROUND IN THE SEASON」
@afterschool_tokyo

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HAIR & MAKEUP
CHISATO KOU

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STYLIST
RYOTA SAKURAI

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BOKUIZUMI

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DIRECTOR
BACON THEATER

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撮影協力

the Virgin Mary
ホテルモントレ銀座

衣装協力

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