GRIN

齋藤智子 meets LuLuLun ORGANIC

アロマ調香デザイナー・齋藤智子が語る、オ-ガニックアロマのチカラ

この香りをかぐと元気が出る、なんだか安心する香りがする……何かがふわっと香った時、そんな気分になったことはないでしょうか? 香りは私たちの体と心に実際にどんな変化をもたらすのか。アロマ調香デザイナーの齋藤智子さんに、今回、柚子、ローズ、ラベンダー、カモミール、ティーツリーの5種類の香りの効果を伺いました。

日本古来の柚子湯で柚子の効能を存分に味わう

アロマ調香デザイナーとして、天然精油にこだわり調香を行う齋藤さん。 「本物の薫りには、人を動かす力がある」と考えています。

まず伺ったのは、齋藤さんも「日本人に馴染み深い」と話す柚子の香り。日本人が古くから持つ風習にも柚子はかかせません。

「冬至に柚子湯に入る風習もすごく理にかなっていて。柚子が持つ芳香成分には血流を良くしてくれる働きがあって、体温を上げて湯冷めしにくくする効果があります。柑橘系のアロマは気分をを明るくしてくれる働きがあって、どこか記憶に残っている柑橘の香りは心に安心感を与えてくれるんです」

ホルモンバランスや睡眠を助けるリラックス系アロマ

また、「ローズ、ラベンダー、カモミールは緩みの効果があります」と齋藤さん。それぞれの効果をこう話します。

「ローズの香りはホルモンバランスを整えるのに有効です。美容とはあまり関係ないのですが、ローズの香りには記憶定着作用があることも脳科学的に証明されているので、資格勉強の時なんかにうまく取り入れるといいかもしれません」

そして、アロマといえばリラックス、という代名詞のラベンダー。気持ちをゆったりゆるめてくれる働きが有名ですが、ラベンダーには「洗う」という意味もあって空気清浄にもおすすめ。また、「夜の香り」と呼ばれるほど、ベッドタイムにぴったりのアロマなんだとか。

「ラベンダーの香りをかぐと血圧をグッと下げてくれる働きがあるので、入眠を促すアロマとしてオススメです。ちなみに、ローズマリー×レモンは“朝の香り”と言われていて、血の巡りを良くしてくれる働きがあるため、頭を冴えさせてくれます。一方、”夜の香り”と言われているラベンダー×オレンジの香りをかぐと、副交感神経優位になり眠りにつきやすくなります」

さらに、カモミールは、甘いリンゴのような香りが特徴の可愛いらしい香り。自律神経に働きかけるだけでなく、濃く煮出してハーブティーのようにしたものはなどは汗疹やおむつかぶれなどの皮膚トラブルにも。庭に植えておくと、周りの植物を元気にしてくれることなどから「植物のお医者さん」とも呼ばれています。

「カモミールは尖った神経を緩めてくれて、安眠作用がとても高いんです。強めの香りなので、ちょっと疲れたな、というときにほんのり香らせるのがいいですね。

『アロマディフューザーがないと』とか『道具をそろえないと』とかって思ってしまう人も多いと思います。 私自身、ディフューザーなどもエタノール洗浄などが必要なものは、なかなか億劫だとおもってしまうタイプで。笑 そんな時は、ティッシュにたらしてみてください。アロマオイルをティッシュに染み込ませたものを、部屋に置いておくだけでいい香りが漂ってきますよ」

子どもから妊婦さんまで。香りで心身のオン・オフのきっかけを「香り」でつくる

こんなに気軽でいいんだ!と思うほど、簡単なアロマの楽しみ方を教えてくれた齋藤さん。自身のお子さんにはティーツリーのアロマオイルを垂らしたハンカチやティッシュを持たせているのだそう。

「ティーツリーは免疫を上げてくれる働きを持つので、今の時期、マスクにちょっとつけてあげるのもいいですね。ちなみにディーツリーはインフルエンザの予防になるというデータもあります。

齋藤さんは、アロマセラピーは芳香療法という意味があります。一瞬で脳に香りの情報が届きます。だからこそ香りを嗅いで、自分がいいと思うことが大切。まずはそんな香りを探してみてくださいね。また、人工的に作られた香りとアロマとは別です。信頼できるメーカーのものを使いましょう」と続けます。

「妊婦の方は、安定期になればお医者さんに相談して、アロマを使用するのもいいと思います。あくまでも自分が心地いいとおもう香りを選んでください。ただし、お花の精油は少し注意が必要なので専門家に相談しながら使ってみてください。」

睡眠や緊張など、自分では操作できない自律神経をコントロールしてくれるのが香りの力。体調やメンタルの変化と上手に付き合っていくために、心身のスイッチのオン・オフのきっかけを香りで作り出してみてはいかがでしょう。